基礎知識  香りについて 

加賀棒茶の香り成分は300種類以上。

 加賀棒茶の香りは300種以上

加賀棒茶に熱いお湯を注ぐと独特の香りが立ち昇り部屋中に広がります。石川県工業試験場の研究によると、加賀棒茶には300種を超える香気成分があることが解っています。これは一般的な茶葉のほうじ茶に比べて種類・量ともに圧倒的です。主な香気成分には「焙煎香」「花の香り」「甘いカラメル香」「甘い燻製の香」があります。

これらの香気成分は焙煎条件によって産生量が大きく変化します。その為、原材料に合わせた焙煎方法・温度・時間の設定は、加賀棒茶の味わいに大きな変化をもたらします。特に「花の香」はラベンダーやバラと同じ香り成分で、焙煎時間とともに増加し続けますが一定限度を超えると途端に消失することも分かっています。

「旨み」と「香り」との絶妙なバランス。

また、香りは鼻からだけではなく喉を通じて口の中からも伝わります。この時に舌の奥のほうで感じる「旨み」と「香り」の相乗効果も、加賀棒茶を味わっていただく際の大切にしたい部分です。焙煎によりお茶に含まれる旨み成分が熱に反応して香り成分になることから、旨み成分と香気成分は基本的に相反関係です。火の通りが浅いと渋みの強い飲みづらいお茶になりますし、強すぎると加賀棒茶らしさがなくなり、一般的なほうじ茶になってしまいます。焙煎工程はまさしく職人の腕の見せ所なのです。