基礎知識  原材料を考える 

全国の産地から届いています。

よく加賀棒茶は石川県産のお茶で出来ているのではないんですか?と訊かれることがあります。石川県内にある茶畑の面積は現在4ヘクタールほどで、日本国内の主要な産地の1,000分の1以下です。また加賀棒茶の原材料は緑茶製造の副産物なのでその生産量は緑茶のせいぜい3%程度。石川県内の消費を賄うにも全く足りません。一方全国の有名産地では煎茶の過程での出物(茎部分)は余剰品で、こちらは逆に行き場所を探している状況です。当工房へは全国の産地から加賀棒茶の原材料となる「棒」が届きます。

出物(副産物)であるということ

出物(副産物)であるということ。

棒が市場に出る段階では「棒」の長さは大まかに切りそろえられますが、大概は様々な茶園で採れた様々な形状の「棒」が混在してしまいます。このまま焙煎しても、決しておいしい加賀棒茶は出来ません。当工房ではこうした原材料を大きさや重さ、色合いなどにより分別し、それぞれに最適な焙煎方法で焙煎したのちに、再度ブレンドするという工程で加賀棒茶を製造しています。こうした仕込み作業は非常に手間のかかる仕事となりますが思い描くような味わいの加賀棒茶を作り上げるためには欠かせない工程と考えています。